「どうして“白龍にきいてみた”っていうシリーズ名なんですか?」
そんな質問をいただくことが、少しずつ増えてきました。
龍と話すってどういうこと?
白龍って、どこから来たの?
なんで“きいてみる”というスタイルなの?
今日はそのことを、少しだけ書いてみようと思います。
わたしが“白龍ちゃん”と出会ったのは、
ある人から「自分につけてもらっている龍の色を当ててほしい」と、
何度も頼まれていた頃のことでした。
最初は、ただ気配を感じる程度だったその人の龍。
ところがある日、その龍がわたしに突然、
「……何用か」
と、低く静かに語りかけてきたのです。
少し驚きながらも、わたしは正直にこう伝えました。
「あなたとともにいる人から依頼されて、何度かコンタクトを取っていました」
するとその龍は、じっと黙ったまま何かを考えているような気配。
そこでわたしは、なにか試されているような気がして、
「わたしは、わたしの持っている力で、
周りの人の役に立って、豊かになっていきたいんです」
と、自分の想いをしっかりと伝えました。
その言葉に対して、龍は何も言わずに、すっと姿を消してしまいました。
「えっ……違った? 間違えた……?」
もしかして、厚かましかったかも?
心持ち穏やかではないままその夜は眠りにつきました。
でも、その次の日。
いつものように庭の草木を眺めていたとき、
なにかの視線を感じてふと顔を上げると、
──庭の飾り井戸から、白い龍の顔が、ちらっとこちらを覗いていたのです。
それから一週間ほど、
その白い龍は、
井戸から少しずつ顔を出したり、引っ込んだりしながら、
ある夜は、家の屋根よりも高く、長〜く伸びながら
私を見下ろしてきたり。
それはさながら、庭から生える超巨大な「チンアナゴ」
そうやって、次第に体全体を見せるようになった白龍。
しかし、しばらく経つと、庭から生えてた白龍は
完全に抜け出たのか、いつの間にか飾り井戸は前のようにそこにあるだけになりました。
「ここは川と川の合流地点だから、たまたまここを出入り口に使っただけかもしれない。」
そう思って、私は日常を過ごしていました。
白龍がまた姿を見せたのは、
東京への出張で新幹線に乗っていたとき。
窓の外に流れる雨景色の中で、
白龍ちゃんとの“はじめての会話”が始まったのです。
あとで聞いたところによると──
あの「何用か」と言ってきた龍は、
わたしの中に“地に根ざして動く存在”を見いだし、
自分ではなく、白龍を“導き役”として派遣してくれたのだそうです。
白龍ちゃんは、中部地方の方から、
わたしの住むこの土地(川と川に挟まれた流れの強い場所)に、
はるばる飛んできてくれた存在でした。
「なぜ、ここまで?」と尋ねたとき、白龍ちゃんはこう答えてくれました。
「この土地にも龍はいるけど、
ぼくは“動く力”を届けに来たんだよ。
あまちゃんがやろうとしてること、
支えてって言われたんだ」
それ以来、白龍ちゃんは、
わたしのそばで、やさしく、でも芯のあるまなざしで、
ときに寄り添い、ときに気づきをくれるようになりました。
だからこのシリーズは、
「教わる」というよりも、
「白龍にきいてみる」というスタイルにしています。
一方的ではない。
でも、確かに見守られている。
そんな関係が、この言葉の形に込められているのです。
これからも、
白龍ちゃんとの会話の中で見えてきたものを、
そっと手渡すように綴っていけたらと思っています。
読んでくださって、ありがとう。
また次の“きいてみた”で、お会いしましょうね。
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